用事があって、久々に弁護士会館に行ってきた。入って目にするのは、弁護士バッジを胸につけた、スーツ姿の弁護士たち。それから、法律相談を待つ市民。
これは自分が捨てた道。本来進むべきであったかもしれない道。
私は、裁判実務をほとんど経験しないでキャリアを重ねた。これまで積み上げてきたキャリアに後悔はないのだけれど、胸の中にかすかに痛みを感じることがある。
司法研修所の法曹教育を受けた私は、弁護士の本領はやはり裁判実務にあるという観念が何処かに染み付いている。だから、時折、弁護士としてのアイデンティティとの間で、齟齬を感じるのかもしれない。