2020年5月3日日曜日

「弁護士」という職業の将来性

かつて、弁護士資格を取れば、「一生安泰」「高収入が得られる」などと言われてきました。もちろん、「弁護士」になるには、国家試験で最難関とされる司法試験に合格しなければなりませんが、労力に見合った待遇を約束されていたわけです。

しかし、今では、弁護士であっても、日々の生活に困る人もいます。

弁護士の収入の低下


日弁連が定期的に行っている『弁護士実勢調査』によると、弁護士の収入や所得は減少傾向にあります。弁護士の平均所得は、2006年当時で1748万円でしたが、年々減少し、2018年には959万円となりました。

司法制度改革により、弁護士の数が急増したことが背景にあります。弁護士の数は、1999年に1万6731人でしたが、いまや2倍以上に増え、2019年3月31日時点で4万人を超えています。

司法制度改革の大義名分としては、日本も、欧米のように、ちょっとした争いごとが起きたらすぐに弁護士に相談できるよう、法曹人口を増やすべき、ということがありました。しかし、ふたを開けてみると、弁護士が扱う事件数はそれほど増えませんでした。

日本では、もめごと、争いごとは、話し合いにより調整すべきものだという意識が強くねづいており、弁護士や裁判へのハードルは高いのです。弁護士の数を増やしたからといって『訴訟社会』にはなりませんでした。

弁護士の働き方


今や、弁護士は多様な生き方、働き方が可能となりました。従来のような法律事務所に勤務して弁護士業務を行う以外にも、企業の社内弁護士として働いたり、会社役員や法科大学院の教員、地方自治体の有識者委員などを務めるケースも少なくありません。そのほか、法的に分かりやすくニュースを解説するなど、メディアで活躍する弁護士もいます。

プライベートとのバランスや収入の安定を優先するならば、勤務弁護士の方が安全です。独立して法律事務所を経営する立場になると、毎月決まった収入が保証されるわけではないため、利益が得られるか、プレッシャーにさらされながら仕事をすることになります。

今後の成長が見込まれる分野


超高齢社会に向けて『民事信託』(高齢者などが家族や親族に財産管理や財産処分を任せる一つの方法)のアドバイスをしたり、学校現場に『スクールロイヤー(学校弁護士)』として入ってトラブル解決の手助けをしたり、新たに登場した『eスポーツ』の法的課題に取り組んだりと、さまざまな新しい分野で活躍する弁護士もいます。


2018年1月29日月曜日

外部の研究会

今日は業務終了後に外部の研究会に参加してきました。電話会議で参加している人の方が多くて、自分が書記を仰せつかることになりました。業務の忙しさに加えプライベートの事情もあり、なかなか勉強会に出るのも最近は難しいですが、なるべく機会があれば出るようにしています。

2017年9月18日月曜日

「組織内弁護士」の定義

「組織内弁護士」の定義については、弁護士職務基本規程第50条に規定されています。

この規定によれば、「組織内弁護士」とは、官公署又は公私の団体において職員若しくは使用人となり、又は取締役、理事その他の役員となっている弁護士であり、弁護士法人や外国法事務弁護士法人に勤務する弁護士は組織内弁護士の定義から除外されることになります。

第五十条
官公署又は公私の団体(弁護士法人及び外国法事務弁護士法人を除く。以下これらを合わせて「組織」という)において職員若しくは使用人となり、又は取締役、理事その他の役員となっている弁護士(以下「組織内弁護士」という)は、弁護士の使命及び弁護士の本質である自由と独立を自覚し、良心に従って職務を行うように努める。

2016年6月23日木曜日

育児期間中の弁護士会費

育児期間中、申請・承認による弁護士会費の免除制度があります。

制度上、認められる免除期間の最大は半年間分です。実際に本人が休業している期間とは無関係です。たとえ1年休職するとしても免除されるのは半年分だけ。一方で、働いて収入のある男性会員でも育児に従事していれば認められます。「女性会員で育児休業中で育児に専念している人」と、「男性会員で育児休業は取得しておらず働き続けている人」とでは収入減の状況が違うはずですが、そもそも収入減を考慮要素としない制度らしいです。

また、日弁連と単位会のそれぞれで手続が策定されているのですが、日弁連に対しては、「毎月」、育児実績表(どんなお世話をしたか仔細を報告するもの)を提出しなければなりません。女性会員であっても勿論提出が必要です。

男女で違いを設けておらず、とても公平な制度ですが、うーん、なんとなくイマイチな感じが。育児実績表の提出は、手間がかかるだけなので、まぁ、仕方ないかなと思いますが、会費の免除期間は「実際に休職している期間」に合わせて対応した方が良いと思います。

2013年9月7日土曜日

米国法曹事情:法律事務所は学校か

アメリカでは最初は(大手)法律事務所に就職し、そこでOJTを通じて実務家として成長した後、企業内弁護士へ転職するというパターンが多い。企業にダイレクトに就職するケースは多数派ではない。これは個々人にもよるだろうが、概ね、以下の要素が考えられる。

  • ロースクールの学費が高額のため、 ローンを借りている学生も多い。そのため、大手事務所に就職して最初の数年間でとにかくお金を稼ぎたい。やりたいことをやるのはその後。
  • ロースクールは実務家養成の場ではない。ロースクールを卒業して司法試験に合格しただけでは、実務家として使い物にならない。一方、アメリカの企業は人を育てるというよりは、ある程度出来上がった人を好むので、新人を採用して教育するという意欲も能力もない。
というわけで、法律事務所は法律家養成の場となっているようである。 折角人を育てても、数年後に企業に掻っ攫われてしまうとは、皮肉なものである。もっとも、パートナー昇進への競争は日本以上に激しいだろうから、企業はそのような弁護士たちへの受け皿となっているのかもしれない。

2013年9月6日金曜日

弁護士会費に窮する

弁護士会費は高額である。単位会によっても異なるが、大体月額5,6万円払っているはずだ。昔のように弁護士が高給取りであった時代ならいざ知らず、弁護士が増え、所得格差が広がった今となっては、一人の負担すべき額を減額すべきだろう。「一度確保した率は維持したい」というなら、どこかの国の税金と変わらないではないか。アメリカを見よ。年に数万円請求するだけではないか。いったい何に使われているのかもよくわからない会費である。迷えるBのためにも、減額をご検討いただきたいものである。

2013年9月4日水曜日

弁護士会館で思うこと

用事があって、久々に弁護士会館に行ってきた。入って目にするのは、弁護士バッジを胸につけた、スーツ姿の弁護士たち。それから、法律相談を待つ市民。

これは自分が捨てた道。本来進むべきであったかもしれない道。

私は、裁判実務をほとんど経験しないでキャリアを重ねた。これまで積み上げてきたキャリアに後悔はないのだけれど、胸の中にかすかに痛みを感じることがある。

司法研修所の法曹教育を受けた私は、弁護士の本領はやはり裁判実務にあるという観念が何処かに染み付いている。だから、時折、弁護士としてのアイデンティティとの間で、齟齬を感じるのかもしれない。