しかし、今では、弁護士であっても、日々の生活に困る人もいます。
弁護士の収入の低下
日弁連が定期的に行っている『弁護士実勢調査』によると、弁護士の収入や所得は減少傾向にあります。弁護士の平均所得は、2006年当時で1748万円でしたが、年々減少し、2018年には959万円となりました。
司法制度改革により、弁護士の数が急増したことが背景にあります。弁護士の数は、1999年に1万6731人でしたが、いまや2倍以上に増え、2019年3月31日時点で4万人を超えています。
司法制度改革の大義名分としては、日本も、欧米のように、ちょっとした争いごとが起きたらすぐに弁護士に相談できるよう、法曹人口を増やすべき、ということがありました。しかし、ふたを開けてみると、弁護士が扱う事件数はそれほど増えませんでした。
日本では、もめごと、争いごとは、話し合いにより調整すべきものだという意識が強くねづいており、弁護士や裁判へのハードルは高いのです。弁護士の数を増やしたからといって『訴訟社会』にはなりませんでした。
弁護士の働き方
今や、弁護士は多様な生き方、働き方が可能となりました。従来のような法律事務所に勤務して弁護士業務を行う以外にも、企業の社内弁護士として働いたり、会社役員や法科大学院の教員、地方自治体の有識者委員などを務めるケースも少なくありません。そのほか、法的に分かりやすくニュースを解説するなど、メディアで活躍する弁護士もいます。
プライベートとのバランスや収入の安定を優先するならば、勤務弁護士の方が安全です。独立して法律事務所を経営する立場になると、毎月決まった収入が保証されるわけではないため、利益が得られるか、プレッシャーにさらされながら仕事をすることになります。
今後の成長が見込まれる分野
超高齢社会に向けて『民事信託』(高齢者などが家族や親族に財産管理や財産処分を任せる一つの方法)のアドバイスをしたり、学校現場に『スクールロイヤー(学校弁護士)』として入ってトラブル解決の手助けをしたり、新たに登場した『eスポーツ』の法的課題に取り組んだりと、さまざまな新しい分野で活躍する弁護士もいます。